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革職人が教えるシンプルなパスケースの作り方|レザークラフト

シンプルパスケース|革職人ライター「arcoeny」

はじめまして。
arcoenyと申します。


短時間で作れるシンプルなパスケースの製作過程を紹介します。
簡単で比較的キレイに仕上がるので、プレゼントにもオススメです。

革職人が教えるシンプルなパスケースの作り方|レザークラフト
R(コーナー)部分や縁のデザインはお好みでアレンジ出来ます。

型紙~切出し

画像左:
型紙作成にはCADがオススメですが、手書きでも全く問題ありません。
直線的な作品を作る際は、100円均一で売っている方眼付きの厚紙が便利です。
今回、本体サイズは縦90.0mm̟×横73.0mmの長方形にR分の4.0mm×2を足した98.0mm×73.0mm、ポケットサイズは縦88.0(+4.0)mm×横73.0mmで作成しています。
革厚1.0mmの革を3枚重ねますので、仕上がりの厚みは約3.0mmになります。

画像中、右:
革に型紙を重ね、本体パーツを2枚分、ポケットパーツを1枚分切り出します。
革はある程度ハリのあるオイルレザー(1.0mm漉き)を使用しています。
革を切出す際は、カッターの刃を新しい状態にして下さい。一度で切り出せず何度もカッターを引くと、後ほどコバを仕上げる際に苦労します・・・

ポケット縁部分

革職人が教えるシンプルなパスケースの作り方|レザークラフトコバ磨き

染色とコバ磨きは革と革を接着した後に行うため、詳細は後ほど説明します。
ポケットの縁部分のみ接着前に処理します。
コバ処理方法は人それぞれありますし、私自身日によって・物によって違います。
(今回は水磨き→染色→トコ処理剤→ワックス)

接着

画像左:
本体パーツ2枚の裏と裏を張り合わせます。
画像ではゴムのりを使用していますが、木工用ボンドやGボンドでもOKです。
(ゴムのりは接着後の微調整がしやすく、乾燥後は強く固まってくれるので扱いやすくオススメです。)

画像中:
本体の銀面(革の表側)の縁と、ポケットパーツの縁を接着します。
オイルレザーの銀面は接着剤の食いつきが悪いので、 接着する前に銀面の接着部分をカッター等でケガいて下さい。

画像右:
ゴムのりは接着面に圧力をかけることで接着効果を発揮します。
革を傷付けないよう打面に革やゴムを張り付けたハンマーで接着面を軽く叩きます。

面出し、ヘリ落とし、水磨き

画像左:
ヤスリやドレッサーで面を出します。貼り合わせた際のズレが大きい場合はヤスリをかける前に一度カッターではみ出した部分を切り落とします。

画像中:
ヘリを落とします。

画像左:
コバを軽く濡らし、帆布で磨きます。
磨きすぎるとコバ色が濃くなります。

菱目打ち、縫い、コバ磨き

画像左、中:
菱目打ち、もしくは菱錐で縫い穴を開けます。
家で大きな音が出せない方は、菱目打ちやルレットでガイド穴をマーキングし、菱錐で本穴を開ける方法がオススメです。
今回は4mmピッチの目打ちでマーキングし、菱錐で本穴を開けています。

画像左:
蝋引き糸(ポリエステル、0.5mm)で縫い上げます。
ちなみにトップ画像の左側に写っているパスケースは、ポリエステルの0.4mmで縫っています。
コバ処理は先ほど水磨きまで終わっていますので、染色後、トコ処理剤を塗布して磨き(今回は2回)、最後に固形のコバ処理用ワックスを擦り付けて磨き上げます。スリッカーも使いますが、私の場合溝のない平らな面と帆布を使うことが多いです。

仕上がり

革職人が教えるシンプルなパスケースの作り方|レザークラフト02

銀面に付着した汚れ(蝋引き糸の蝋や手の脂)をクリーナーで拭き取り、完成です。
定期券・クレジットカードサイズのカードが2枚ほど入ります。

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